労務管理と社会保険の手ほどき
〜はじめての経営と労務のあいうえお〜

2026.08.28

社労士試験のあと、どう過ごす?合格発表までとその先の歩み方


社労士試験のあと、どう過ごす?合格発表までとその先の歩み方

社労士試験、お疲れさまでした。

試験を受け終わった瞬間、どんな気持ちでしたか。「やっと終わった」という解放感でしたか。それとも「あの問題、合っていたかな」と頭の中でぐるぐると解答が浮かんでくる感じでしたか。どちらも、長い時間をかけて本気で勉強してきた人にしか分からない、正直な感覚だと思います。

私も社労士試験を経験した一人です。そして今、社会保険労務士として、また国家資格キャリアコンサルタントとして、働く人の「これから」に向き合う仕事をしています。試験を受けた後のあの独特の感覚——解放感と不安が入り混じったあの時間のことを、今でもよく覚えています。

今日は、社労士試験のあとの時間をどう過ごすか、そして結果がどうであれその先にどう進むか、について一緒に考えたいと思います。キャリアコンサルタントとしての視点も交えながら、試験を終えたあなたに少し言葉をお届けできたら嬉しいです。


社労士試験の直後は、こんな気持ちになります

試験が終わった直後、多くの人が「燃え尽きたような感覚」を経験します。毎日コツコツ積み重ねてきた勉強時間が、ぷつりとなくなる。習慣になっていたことが急になくなるのですから、体と心が少しぽかんとしてしまうのは自然なことです。

同時に、自己採点をしながら「これは受かったかもしれない」「いや、あの科目が怪しい」と一喜一憂するのも、試験後のあるあるです。社労士試験は科目ごとに合格基準点(選択式・択一式それぞれに「足切り」があります)があるため、合計点だけでは判断しにくく、モヤモヤが長引きやすい試験でもあります。

その感覚はおかしくありません(私も「足切り」経験だってあります。色んな気持ちにさせられた一人です)。それだけ真剣に向き合った証拠です。

合格発表までの期間を、どう過ごすか

社労士試験の合格発表は、今年は10月1日です。試験が8月末ですから、結果が出るまでに1ヶ月ちょっとですね。この期間をどう過ごすかは、意外と大切です。私が試験に合格した頃は、まだ合格発表が11月半ば頃で、試験後約3ヶ月もモヤモヤが続いたものです。

よく聞くのは、次の2つのパターンです。

  • とにかく休む:好きなことをして、頭と心を回復させる。これは大事なことです。勉強中は後回しにしてきた趣味、会えていなかった人、行けていなかった場所。存分に充電してください。
  • 次の一手を考え始める:「もし合格していたら、どうする?」「もし結果が伴わなかったとしたら?」と、少しずつ頭を整理しておく。焦らなくていいのですが、ぼんやりとイメージを持っておくと、発表後に慌てなくて済みます。

どちらが正解、ということはありません。自分の心の状態に正直に、過ごしてほしいと思います。

ただ一つだけ言えるのは、「自己採点の結果を何度も何度も見返して、ネットの情報に一喜一憂し続ける」という過ごし方は、心を消耗させやすいということです。一度確認したら、あとは発表を待つ。その間は自分を大切にする時間にする。それが一番かな、と私は思っています。

合格発表までの期間に「年金アドバイザー」の試験を受けた話

私自身の経験をひとつ、お話しさせてください。

試験を終えた直後、私の周りにいた合格済みの先輩社労士から、こんなことを言われました。「今が一番、社労士の知識がピークにある時期なんだから、せっかくだから『年金アドバイザー』試験を受けてみたら?」と。

正直、試験直後は「もう当分、勉強はいいです……」という気持ちでした。でも、先輩の言葉には一理あると思い直しました。社労士試験で年金科目をみっちり勉強したあとのこの時期は、確かに年金に関する知識はたっぷり頭に蓄積されている状態にある。この状態を活かさない手はない、あとは勢いだ!と気持ちを切り替えて、合格発表までの期間に年金アドバイザーの勉強を始めてみたのです。

やってみると、社労士試験で学んだ内容と重なる部分が多く、思ったよりスムーズに進められました。私は3級を受けましたが、社労士試験に必要な知識に加え新たに学んだ知識はほんの一部で、社労士試験の勉強中したことが、別の角度から整理されていく感覚もあり、結果的に年金への理解がぐっと深まりました。また、出題形式は過去問通りなので、パターン演習をし、苦手や知らなかったところは重点的に勉強すれば社労士試験よりグッと楽でした。(当日の試験結果ですが、2時間のところ1時間で解き終わり途中退出。6割以上合格を8割以上の点数で合格しました。)

年金アドバイザーとはどんな資格?

「年金アドバイザー」は、一般財団法人 銀行業務検定協会が実施している民間の検定試験です。年金の仕組みや手続きについての知識を問う内容で、銀行・金融機関の窓口担当者だけでなく、人事・労務に携わる方や、年金に関する相談対応力を高めたい方にも広く活用されています。

難易度は2級・3級・4級に分かれており、一般的に最初に目指す方が多いのは3級です。出題内容は老齢年金・障害年金・遺族年金の基本的な仕組み、年金額の計算の考え方、手続きに関する知識など。社労士試験の年金科目(国民年金法・厚生年金保険法)と重なる領域が多いため、社労士の勉強をしてきた方にとっては比較的取り組みやすい試験です。

試験の詳しい実施日程・受験要件・申込方法については、銀行業務検定協会の公式サイトをご確認ください。内容は年度によって変わることがあります。

社労士として働き始めると、お客様から「私の年金って、いくらもらえるの?」「夫が亡くなったら年金はどうなる?」という質問は日常的に届きます。年金は制度が複雑で、説明が難しい分野のひとつ。年金アドバイザーの勉強を通じて「自分の言葉で噛み砕いて説明できる力」を身につけておくことは、社労士としての実務でもきっと役に立ちます。

もちろん、合格発表までの期間は「まずはしっかり休む」ことが最優先です。その上で、「何か手を動かしていたい」「知識を活かせるうちに次のステップを踏みたい」という気持ちがある方には、年金アドバイザーへの挑戦は一つの選択肢として、頭の片隅に置いておいてもらえたらと思います。

この記事を書いている社労士です

山本 美紀

社労士試験後の解放感と不安、合格発表までの過ごし方、合格・不合格それぞれの次の一歩について、キャリアコンサルタントの視点でまとめています。試験を終えた方が自分らしい歩み方を見つけるヒントになる記事です。お気軽にご相談ください。

特定社会保険労務士/キャリアコンサルタント

山本 美紀

ミッシュ社会保険労務士事務所 代表/元教師の教育型労務コンサル

最終更新日:2026年8月28日

初回相談無料

筆者について詳しく見る

社労士試験に合格したその先に、何がある?

もし合格の知らせが届いたら——おめでとうございます。でも、合格はゴールではなく、スタートです。これはよく言われることですが、本当にそうです。

社労士の資格を手にした後、大きく分けると次のような道があります。

  • 社労士事務所に就職・転職する:実務を学びながら経験を積む。いきなり独立よりも、まずここから、という方が多いです。
  • 会社の中で社労士として活かす(企業内社労士):人事・総務部門でその知識を存分に発揮できます。資格手当がつく企業も増えています。
  • 独立開業する:自分の事務所を持ち、顧問先を開拓していく。やりがいは大きい分、最初は地道な積み重ねが必要です。
  • 今の仕事を続けながら、知識として活かす:すぐに社労士として動かなくても、職場の人事労務の知識として活用する、というかたちも立派な選択肢です。

キャリアコンサルタントとして、たくさんの「これからどうしよう」という方の話を聞いてきました。そこで感じるのは、正解の道は一つではないということです。資格を取った後の選択は、その人の生き方や大切にしていることによって、まったく違っていいのです。ちなみに私は元中学・高校の教師であり(しかも教科は英語)、自分自身でも予想もしていなかった「開業社労士」への大キャリアチェンジを遂げて今があります。

大切なのは、「なぜ社労士を目指したのか」という原点に立ち返ることだと思います。労務で困っている人を助けたかったのか。会社をもっとよくしたかったのか。自分の経験を誰かのために活かしたかったのか。その「なぜ」が、次の一歩の方向を教えてくれます。

結果が伴わなかったとき、社労士試験のあとをどう生きるか

もし、今年の結果が思いどおりでなかったとしたら・・・・。

それは、あなたの努力が無駄だったということでは決してありません。試験勉強を通じて身についた法律の知識、継続する力、自分と向き合う時間——それはすべて、あなたの中にちゃんと残っています。

社労士試験は、難易度の高い国家試験です。合格率は例年6〜7%前後(厚生労働省の試験結果公表データより)と言われており、何年もかけて合格を掴む方がとても多い試験でもあります。「今年がダメだったから終わり」ではなく、「今年の経験を活かして次に進む」という選択肢が、しっかり開かれています。

ただ、すぐに「また来年も!」と気持ちを切り替えなくていいと思います。一度、ゆっくり休んでください。自分をねぎらってください。そのあとで、続けるかどうかを落ち着いて考えても、遅くはありません。

もし「続けるかどうか迷っている」「そもそも自分に向いているのか不安」という気持ちがあるなら、キャリアの相談をしてみることも一つの手です。一人で抱え込まずに、誰かと話してみることで、少しだけ気持ちが軽くなることがあります。自分自身の気持ちの「棚卸」の時間も大切だと考えます。

試験のあとの気持ちを歌にしました

実は私、「歌う社労士」として活動しており、法律や働く人の気持ちを歌にするユニット「Shallow Sea(シャロー・シー)」で曲を作っています。

そして、社労士試験を受け終わった後の、あの独特の感情——解放感、不安、「どうだったかな」という揺れる気持ち——を歌にしました。

試験を終えたばかりの今、ぜひ一度聴いてみてください。「あ、これ、私のことだ」と感じてもらえたら嬉しいです。

▼ YouTubeで公開しています(「Shallow Sea 社労士試験」で検索してみてください)

まとめ:試験のあとも、あなたの歩みは続いている

社労士試験を受け終えたということは、それだけの時間と気持ちを、自分の未来に注いだということです。その事実は、結果がどうであれ変わりません。

合格発表までの時間は、焦らず、ゆっくり過ごしてください。結果が出たら、そこからまた一緒に考えましょう。合格した方には「次の一歩をどう踏み出すか」、今年は届かなかった方には「これからをどう歩むか」——どちらも、ちゃんと道はあります。

社労士の仕事は、人の働き方や生き方に深く関わる仕事です。その入口に立つ皆さんのことを、私はとても応援しています。一人で悩まず、気軽に話しかけてもらえたら嬉しいです。

この記事は、社会保険労務士として日々の労務のご相談のなかで実際にお受けするご質問をもとに書いています。最新の法令や個別のご事情については、お気軽にご相談ください。また、キャリアコンサルタントとしても、就職のこと、仕事のこと、生き方のことなど「人生丸ごと」個別相談にも応じておりますので、必要であればお声かけください。

▼キャリアに関する個別相談のご案内はこちら

ミッシュキャリアサポート

介護と仕事の両立、お気軽にご相談ください

従業員から介護の相談を受けたとき、会社として何を整えておけばよいか。介護離職防止を専門とする社労士が、御社の状況に合わせてお答えします。

初回相談無料

筆者について詳しく見る

会社設立パック

© ミッシュ社会保険労務士事務所 All rights reserved.